削ぎ落とされてみえてくる

今となってはシンプルなメニューしかない喫茶おおねこ。しかし、初期は居酒屋のような雑多としたメニュー展開をしていた。

初期から登場したことのあるメニューを羅列すると以下。 ⚫︎ネルドリップコーヒー ⚫︎自家製あんこバターホットサンド ⚫︎紅茶各種(ホット、アイス) ⚫︎レモネード(アイス) ⚫︎ひよこ豆のキーマカレーホットサンド(→初期から先月まで登場していましたが肉の消費に疑問を持ち始めたので休止) ⚫︎ベーコンたまごチーズホットサンド(→初期のみ登場した人気メニュー。しかし手が回らず休止) ⚫︎コーンポタージュ(→登場させた日に火の元を見ていられず沸騰させてダメにしたのですぐ休止) ⚫︎ジャム付きヨーグルト(こちらも人気でしたがやはり手が回らず休止) そのほかにも、

あ、今日はジャムそのまま出すね!

あ、たまご買い忘れたからたまご抜きで作るけどいい?

など、、、大変よくいえば臨機応変な営業だった。

(初期のメニューの載っている、おおねこ通信)

時は流れて半年後。 今のメニューは、定番でいうと以下の二つだけ。 ⚫︎ネルドリップコーヒー ⚫︎自家製あんこバターホットサンド 上の二つに夏季は以下も追加している。 ⚫︎水出しコーヒー ⚫︎自家製ジンジャーエール

振り返ると、 やりたいことを詰め込みながら「まずやってみる」わがままな初期を経て、自分のできることのリアルな形に削ぎ落とされてきたのだと思う。

実際できるかどうかを傍においてまずやりたいことをてんこもりにやってみたら、否応なく、限界の天井にざらりとした手触りをおぼえる。はあここが天井ですね、そんでここが壁ですか、ふむ。みたいな。実際、てんこもりの初期には注文を忘れたり、焦がしたり、こぼしたり。自分はひとりしかいないのだという、そしてそこにはあらゆる限界があるのだという、当たり前のことに、しっかりと直面する。

それで、納得しながら、「やりたいこと」を、「できること」と「できないこと」に振り分けていく。この過程がなにより重要だろう。

脇道に逸れるけど、このプロセスはなにに似ているんだろうと思い巡らせると自分のなかの「美しさ」の捉え方と似ていた。誰々に好かれたいから可愛くなりたいとか、〇〇が流行ってるから私も身につけなきゃとか、そういうところに「美しさ」を置いて手を伸ばしてジタバタした中高時代。失敗して、情けなくなって、反省して、化粧なんかは自分の好きな程度にしよう、好きな服を好きなように着て、嫌なことを嫌といおう、そういう生き方が「美しい」んだ、と思えるようになってからの、生きやすさたるや。いろんなものに全力で手を伸ばす時期というのは、そのあと削り落とされて洗練されるために、必要なのだなあ。

さて、「やりたくて」かつ「できそうなこと」が残っていき、それを無理なく大切にすることができると、ヘルシーな営業になっていく。心身ともに無理はなく、持続的な営業。いまのところ、注文を忘れることもなく、こぼしたりすることもなく、深呼吸しながらここちよい営業ができている。

どんなことだって夢見ていいしやってみるのが大事だと思う。そのあとで、否が応でも削り落とされて洗練されていくから、安心してなんでもやってみていい。そこから見えてくる背骨の部分をしっかりと捉えて、大切に育てていけたらいい。

↑ いろいろ書いてた時期もあったけど 次第にシンプルになった看板。

喫茶おおねこもまだまだこれから形を変えていくと思う。

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ABOUT US
鈴木 なりさ喫茶おおねこ店主
1997年 9月生まれ ちいさな農家育ち
2016年 青山学院高等部卒業
2021年 2月 武蔵野市で地域密着喫茶店「喫茶おおねこ」開業。以降ひとり店主として地域活動をスタート
2021年 3月 ICU(国際基督教大学)卒業
2023年 武蔵野市で地域密着喫茶店「喫茶おおねこ」のひとり店主をしながら、初めての選挙応援を経験(さこうもみ武蔵野市議会議員)
11月 政治活動を開始
12月 武蔵野市議会議員補欠選挙へ立候補